【デザイン小話】効率化のヒントは現場にこそある!
最近チーム内でよく介護業界の「DX化」「業務改善」「時間短縮」などの話をしています。
効率化や業務改善の方法はさまざまですが、実際に現場での小さな「気付き」や「改善」が、大きな変化を生むこともありますよね。
チームメンバーからの報告話に「え!そんなに効率が上がったんですか!!」と驚かされることも少なくありません。
私自身も日々の業務の中で「ユーザーさんにもっと役立つことはないかな?」「何か弊社のアプリに活かせることないかな?」と考えながら、ちょこちょこデザイン系のセミナーに参加して情報収集をしたりしています。
そんな流れで、先日セミナーで聞いてきた「現場から生まれた気付き」に関するエピソードをご紹介しようと思います。
登壇されてたのは誰もが知る超大手メーカー(小売業)さんのお話。
この企業では、自社で開発したシステムを現場の店舗スタッフが日々使用しているそうです。
現場店舗では、スマホで同社Webサイトの商品詳細ページを見せながら「これ、どこの棚にありますか?」「在庫はありますか?」と尋ねるお客様が多いそうです。広い店舗に膨大な商品量…その中で効率よく目的の商品を探したい、ということですよね。
わかります。私もその店舗へ行った時は客の立場で同じことをよくやります(笑)
その商品詳細ページの画面、最初はこんな感じだったそうです。(これは実際の画面ではなく今回の記事用に似せて作った架空の商品詳細画面です)

お客様からスマホで提示されたこの画面を見て、店舗スタッフは商品名をシステム端末に入力し、在庫や配置場所を確認してお客様にご案内するという流れ。
そんなある日、システムを開発しているエンジニアチームのメンバーが、研修の一環で店舗スタッフと一緒に現場業務を体験しました。そこで生まれたのが、今回お話したい「気付き」です。
現場を経験したエンジニアさんの気付きを元に改良された画面がこちら。

何が違うかわかりますか?
そう、「商品番号」が追加されたんです。
おそらく、商品番号はもともと管理用の情報であり、お客様には直接関係ないと判断され、画面に表示していなかったのだろうと私は勝手に推測しています。(今でこそ多くのECサイトの商品ページでは商品番号や型番といった固有の識別番号が表示されてるのをよく目にしますけれども)
しかし、この商品番号を画面に追加しただけで、システムとお客様をつなぐ役割を担う現場スタッフの業務効率が劇的に改善されたそうです。
その理由は、このメーカーさんでは類似商品やバリエーション豊富な商品が多く、さらに商品名が長いものも多いことにあります。
「これ…毎回正確に商品名を入力する手間を省けないか?」という現場を体験したエンジニアさんの小さな気付きが、商品番号を画面に表示するという改善につながり、結果的に大幅な効率化を実現したのです。
「たったこれだけのことで?」と思われるかもしれません。
ですが、例えば商品名の入力に1分かかっていた作業が、商品番号なら10秒で済むとしたら、1回の対応で50秒短縮できます。
チリも積もれば…このお客様対応が30件なら約25分、50件なら約40分の短縮。それが1か月(20営業日)だと約8〜13時間以上の時間の節約に。しかもこれはスタッフ1人あたりの話です。
「たったこれだけのこと」からこれだけの時間が生まれるとしたら…すごくないですか?
これは画面デザインの変更としてはすごくすごく小さな改修です。
だけどこの小さな改修の影響は、現場で「革命だ!」と思えるほど大きなものだったそうです。
この話からわかるのは、現場のスタッフさんたちは与えられたシステムをそのまま受け入れ、覚えた手順を一生懸命こなしてくれている。でも、目の前の業務に集中しすぎて、そこに課題があるとはなかなか気づけないものだということ。
それを別の視点で見てみると、ハッと気付く何かがあるかもしれない。
そしてその気付きが大きな業務改善に繋がるかもしれない、と。
弊社のサポートチームが「何かお困りごとはありませんか?」とユーザーさんに伺うと、「特に今はないかな…」というお答えをいただくことが多いそうです。
でも、普段の何気ない業務の中に「これ、ちょっと面倒だな」と感じていることはありませんか?
そうした小さな「面倒」の中に、業務効率をぐっと上げられるヒントが隠れているかもしれません。
もしかしたら、今日のメーカーさん話の中の現場スタッフの方も、ほんとは「これ毎回めんどくさい…」ってずーーーっと心の中では思いつつ、声をあげなかっただけかもしれないし。
介護サプリでは、そんなユーザーさんのお手伝いができたらいいなと思っています。
弊社のアプリに直接関係ない話でも、もし「これ毎回大変なんだよね」「ここが面倒なんだよね!」という現場エピソードがありましたら、ぜひ教えてくださいね!聞きたいです!
実は、そういったテーマを深掘りしているのが、弊社メンバー安場さんのコラムシリーズ「やすば先生の介護DXの旅」です。
このコラムでは、実際に弊社のアプリを使っていただいている事業所さんを安場さんがリアルで突撃訪問。現場の業務を見学しながら、「こうしたらもっと効率化できませんか?」と提案していく内容になっています。介護業界のDXの根本的な課題に切り込み、鋭い視点を持った内容が多いので、まだ読んだことがない方はぜひチェックしてみてください!
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投稿を表示サポートで導入事業所さまの所へ訪問させていただく時には「同じことを何回も繰り返しているなー、とか(そんな不便は)ありますか?」など尋ね方を試行錯誤しています。
機能や画面、介護記録のこと、っていう『メーカーさんだからこのシステムのことを話さなきゃ』っていう縛りをなくして会話を進める方が本当に感じている不便が聞き出せることが多いなと感じています。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示商品番号といっしょにバーコードもあったりしたら、在庫管理のシステム側で簡単にスキャンできるようにもなりそうですね。
でも、バーコードまで入れちゃうとスペースの問題とかもあるし、番号の表示がちょうどいいのかも。
最近なら、番号もカメラで読み取れますしね。
キーボードでの入力が大変。でもそういうもんだよね。
ではなく、手書きで楽々入力!これも介護サプリの特徴かなと思ったりします。
「当たり前」の苦痛を、シンプルに解決していってくれるサプリの人たちにこれからも期待大です!
日常のボヤキを投稿できるお部屋があったらいいのかな?
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投稿を表示世のDX問題の根幹にあるわかりやすい事例をありがとうございます。
DXってどうしてもシステム化にすることばかりに目がいきがちですが、運用を見返して何が一番の問題なのかを発見することが大事なんです。
先日も障がい福祉で働くわたしの友人に「毎月、請求処理って大変じゃない?」という質問をしてみました。
これは「システム入ってるから大丈夫」という回答が返ってくるのを想定しての質問です。
そして案の定予想どおりその返事があり、時間もほとんどかかっていない、という回答でした。
私は続けて「請求システムに入力するまでのチェック作業のことだけど、それはどう?」と尋ねました。
友人「あー、そこは結構時間かかってる、うちは記録が結構間違えてるからなぁ。そこが一番大変なんよねぇ」
問題点はここです。チェック作業は時間がかかって当たり前と思っていて、そこは効率化できないと思い込んでしまっているわけです。記録と請求の連動型にしたとしても、結局記録が間違っているので効率化はできず、むしろ誤請求につながるリスクもあるわけです。
DX化の問題は、そもそも問題を問題と思えていないところにあります。
介護サプリのユーザーさまにはそこに気づいていただきたいですし、一緒にその問題を解決していきたいです。